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Stories of coins and color stones

人気化するミャンマー産ホットピンクスピネル

2016年6月

今回は久々にカラーストーンのお話しをいたします。いつだったか忘れましたが、当欄で僕はスピネルのお話しをした記憶があります。スピネルは日本人にとってなじみの薄い宝石ですが、ヨーロッパでは大変人気のあり、ときには5大宝石の一つに数えられることもあります。

さてこのスピネル、この欄で何度かご紹介したルビーと同じく、世界最高級の石はミャンマー産です。ミャンマー産のスピネルの特徴は色で、タンザニアやスリランカ産など他の産地を寄せ付けない人気があります。目に突き刺さるような赤みの強いスピネルが高値で売買されますが、ややオレンジがかったスピネルも、ラズベリースピネルと呼ばれ人気があります。スピネルはルビーやサファイアと違って、現地で大粒の石が手に入りますが、それでも現地の相場は年々上昇傾向にあり、直近の事例では、3カラット程度の最高級の大粒石が250万円程度で売買されています。

一方で店頭価格はどうでしょう。以下はアメリカのNational Gemstone社のサイトに掲載された、ミャンマー産の最高級レッドスピネル(1カラット)の小売価格ですが、近年以下のように推移しています。

  • 2000年 2000ドル程度
  • 2005年 2500ドル程度
  • 2010年 4500ドル程度
  • 2015年 6000ドル程度

いつも申し上げていますが、宝石の価格とサイズは比例しません。宝石は自然の中で結晶が成長しますので、一定のサイズになると壊れたり分解してしまうからです。スピネルも同様です、ルビーに比べると比較的大粒の石が見つかりますが、それでも3カラットの石は1カラットの石に比べ10倍程度の値が付きます。したがってミャンマー産の最高級スピネルが店頭に並んだとすれば、上記6000㌦の10倍、すなわち日本円で600万円以上の値がついても不思議ではありません。もっとも日本でそれほどの大粒かつ良質なスピネルをみることはまずありませんが・・・

このような赤みの強いスピネルに対し、ホットピンクスピネルと呼ばれる、目が覚めるような蛍光色のスピネルも、最近人気が急上昇中です、これは今年3月の本レポートで紹介させていただいた通りです、その後このホットピンクスピネルを探していたのですが、たまたま機会に恵まれて写真を入手することができました、以下の写真がそれです。

ミャンマー産、ホットピンクスピネル、2.2Ct、個人蔵

この石は2.2カラットの大粒石で、これほど美しいスピネルを僕自身も見たことがありません、僕は原物も見たのですが、思わずため息が出てしまいました。現地バイヤーによれば、この石はミャンマーのナンヤという産地で採れた石で、この鉱山で採れるホットピンクスピネルには、このような強い傾向性とテリを持つものが、ときどきあるのだそうです。最高級のホットピンクスピネルは最近香港などで人気を呼んでおり、この程度のサイズになれば現地でも100万円以上の価格で売買されています。ただし、ピンク色をしたスピネルなら、何でもいいというものではありません、例えば以下の写真もホットピンクスピネルとして売られることがありますが、両者を比べてみると雲泥の差があることが分かります。

下の写真の石も単独でみればそこそこ美しいピンク色なのですが・・・色が薄く、蛍光性も強くはありません、このような石なら同程度のサイズであっても、せいぜい店頭価格は20万円程度になるでしょう。

ミャンマー産、ピンクスピネル、1.02Ct

皆さんがこのようなミャンマー産の上質なホットピンクスピネルを見つけられたら、おそらく良い投資のチャンスではないかと思います。