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Stories of coins and color stones

コインはなぜ金融ショックに強いのか

2018年1月18日

みなさんこんにちは。

僕は理屈抜きにコインが好きなのですが、仕事がら冷静に、
資産運用の対象としてコインを見ている部分もあります。

コイン収集歴が長くなりますと、
それなりに投資対象としての欠点も見えてくるものです。

なにより売り買いのコストが高いのが欠点です。

コイン商の店頭でコインを売り買いすれば、良心的な店ですら
私たちは片道20%程度のコストを支払う勘定になります。

あおり系コイン商なら、仕入れたコインに対し、
2倍程度の売値を設定することも珍しくはありません。

仮にコインに「本来の価格」というものがあるとして、
私たちがその2割増しで買い、出口で2割引きで売るとすれば
どうでしょう。

この場合コインが購入価格の1.5倍にならなければ、
儲けは出ない勘定(注)になります。

注)1.2÷0.8=1.5

幸いコイン相場は順調に推移していますが、
少なくとも数年手元に置いておかなければ、
コイン投資で儲けることはできません。

このことからわかるように、投資商品としてコインを見た場合、
長期保有が前提となり、私たちの資産を全体でみれば、
それだけ流動性が犠牲になるわけです。

これもコイン投資の欠点に挙げておくべきではないかと思います。

一方でコイン投資の優位点もたくさんあります。

まずは経済的なショックに強いという点です。

たとえば先の金融ショックです、
2008年リーマン・ショックの前後の値動きを見ますと、
例えばアメリカのコイン相場を指数化したPCGS3000は、
確かに2008年をピークに下げました。

が、その下げ幅は10%ほどに過ぎません。

イギリスのコイン指数(GB200)に至っては、
リーマン・ショックのさなかですら順調に上昇しました。

ショックに強い理由の一つは、機関投資家がコイン市場に
入ってこないからだと思います。

コインの市場規模は小さとよく言われますが、
せいぜい世界全体で1兆円あるかないかでは
ないでしょうか。

対して例えば株式市場の時価総額は1京円、
債券市場の規模もまた1京円ほどあります。

もしこの1兆円説が正しければ、コインの市場規模は、
株式市場や債券市場のたったの0.01%に過ぎません。

そんな狭い市場に機関投資家は入ってきませんし、
おそらく今後もないでしょう。

機関投資家に対してコインコレクターはどうでしょう、
機関投資家と違って彼らは、たとえ保有株が半値になったとしても、
慌ててコインを売るということは致しません。

僕自身がそうだったのでよくわかるのです。

リーマン・ショックの際も、
含み益(含み損ではないところがミソです)を抱えたまま、
ゆうゆうとコインを持ち続けた方が大半だったのでは
ないでしょうか。

ですからコイン市場のバランスは崩れず、
相場も下がらなったのでしょう。

コインがショックに強い二つ目の理由は、
コインの価値の源泉が希少性にあるという点では
ないかと思います。

確かにコインを物質的な側面で見れば、
金であり、銀であり、場合にっては銅や亜鉛などでは
ありますが、コインの価値全体に占めるこれら金属の価値など
たかだが知れています。

極端な事例として神聖ローマの10ダカット金貨をあげますと、
このコインの重量は35グラムほどに過ぎませんが、
コインの価値は2000万円ほどいたします。

いまの金35グラムの価値は20万円以下ですので、
金属としての価値は、このコインの場合たったの1%に
過ぎません。

では残りに99%部分は一体どこから来ているのでしょう。

答えは希少性です、

コインを手に入れたい望む人は、物質としてのコインに
魅力を感じているのではなく、コインのデザインであったり、
歴史であったり来歴(例えばナポレオン家の収集品だったなど)
に魅力を感じます。

でも仮に、そのコインがザクザクあればどうでしょう。

この場合、そのコインに1000万円、2000万円の
値がつくとは到底思えません。

つまり欲しいと望む人がたくさんいる一方で、
そのコインの枚数が極めて限定されている状態。

ここでは一種のオークション的な環境が生まれ、
コインの価格が高騰するわけです。

多くの収集家が好むデザイン、歴史、来歴を備える一方で、
コインがホンのわずかしか残っていない状態・・・

これを一言でいえば「希少性が高い」という
ことになるでしょう。

先ほどの例に当てはめれば、10ダカット金貨2000万円のうち、
99%は希少性が占めていることになります。

この希少性は人が本源的に持つ嗜好性によっているだけに、
景気の変動や金融ショック、もっといえば浮ついた
マネーの世界からもよほど遠い距離にあり、これがコイン相場が
ショックの影響を受けにくい二つ目の理由です。

このようなコインが備えた特徴は、
資産運用における分散効果という点でも、
大変意味のある性質ではないかと僕は思います。

では今回はこのへんで。