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From the economic column I wrote in the past

積立投資のその先は

2023年8月31日

積立NISAの新制度が決まったからでしょうか。

ここのところ新聞・雑誌やテレビでも積立投資をよく目にします、僕自身は積立投資はやったことがありませんが、来年から始まる新NISAの内容を見ると、多くの方にとって大変良い制度になっていると思います。

特に若い方は積極的に積立投資をやってほしいものです。

でも長いことこの世界で生きてきた僕からみると、実際に積立を始める前に、多くの方にその問題点も知っておいていただきたい気もします。

今回はそんな気持ちでお話をしたいと思います。

積立投資の問題点

積立投資は

  • 購入価格を平準化できる点
  • 強制的に一定額を投資し続けることができる点

以上2点において大変好ましい投資だと思います、とくに日本人は投資というものに無理解な人が多く、その点でも「ほったらかし」できる積み立ては、有効な投資手法だと思います。

でもいくつかの問題がある点を理解しておくべきだと思います。

まず一つ目です。

僕のように人生の先が見えてきた人にとって、積立の時間は決して長くはありません、積立投資の効用は長期的に投資額を平準化できる点にあり、その点でより若い人にとって意味がある投資手法です、反対に僕のように残された時間が短い人にとっては、期待された効果を得るのは簡単ではありません。

次に問題点の二つ目ですが、こちらのほうはより大切な「ひよこ効果」です。

注)「ひよこ効果」は僕が考えた言葉で、積立投資の問題点を説明するための言葉です

たとえば皆さんが夜店でヒヨコを売るために、ヒヨコの仕入れを始めたとしましょう。ヒヨコの相場は日々変動しますので、それをならすため例えば毎日1000円の予算で買えるだけのヒヨコを買い付けていくとしましょうか、初日はその日の相場1羽=100円で100羽仕入れたとしましょう。二日目は200円に値上がりしていたので50羽、三日目は50円だったので200羽、四日目には250円で40羽・・・・、こんな具合です。

相場が高い日はちょっとの仕入れにとどめられますし、逆に値下がりするといっぱい買えます、このようにして購入単価は自動的に下がりますので、まあ頭を使わなくても、いい感じで小屋の中のヒヨコは増えてゆくことになります。

でもこれでめでたしめでたしとはいきません、なぜなら皆さんがほったらかしでご機嫌なのは最初のうちだけだからです。

やがて小屋のなかのヒヨコは順調に増えてゆき縁日の日が近づいてきます。例えば小屋の中のヒヨコが満杯の1000匹になったとき、どうなるのでしょう。ヒヨコ一羽の売価が200円なら売り上げは20万円ですが、夜店が立つ日の相場が50円になってしまえばどうでしょう。この場合の売り上げはたったの5万円で、おそらく買値を下回ってソンが出るでしょう。

皆さんがヒヨコを仕入れるときはほったらかしで問題ありませんでした、きっとここに至るまで皆さんはヒヨコの相場など考えずに済んだはずです。つまりいったいどのようなときに高く売れるのか、どこで売ると高く売れるのかさっぱりわからないないはずです。たとえばヒヨコの相場が急落し、もっと先に開かれる別の縁日をさがそうにも、ヒヨコは日々成長しますから、遠からず市場価値はなくなってしまいます。

そして皆さんは後悔することになるでしょう、「もっと前からヒヨコの相場を勉強しておくべきだった」。

投資の世界でも似たようなことが起きます。

積立を始めた頃はお気楽に「ほったらかし」で済みますが、皮肉なことにその積立投資が成功し資産が増えるにしたがって、皆さんの不安はどんどん高まってゆくのです。

たとえば積立額が月20万円ですと、1年後には元本ベースで240万円です。この時点では小屋の中のヒヨコはまだ少ないので、皆さんは積立てたおカネについて無頓着でいられますが、5年、10年、20年、30年と続けるとどうでしょう。元本ベースで5年後には1200万円、10年後に2400万円、20年後4800万円、30年後には7200万円と増えていきます、元本ベースでこの程度なので、予定通りの成功を収めると30年後には1億円を超えているかもしれません。

そしてその時になって皆さんは考えるはずです。「株や債券はいったいどんな感じで価格が変動するんだろうか、いったいいつ売ればいいの?」

なかには相場の変動が心配で夜も眠れない人も出てくるかもしれません。そして皆さんは考えるはずです、「もっと前からヒヨコの値動きについて勉強しておけばよかった」。

日本の場合、なにはともあれまず預金→投資です、政府もそこを動かすためにNISAを拡充するのですが、いまどこをどう見渡しても積立投資の先を考えている人はいません。

20年先、30年先・・、いずれ私たちはこのヒヨコ問題に向き合うことになるでしょう。

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