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From the economic column I wrote in the past

AI半導体に目が行きすぎ

2023年8月31日

5月に発表されたエヌビディアの決算以降、どうもAI半導体に注目が集まりすぎているように思います。

半導体は幅広くさまざまな用途があります、半導体メモリDRAMもあれば、データ処理に使われるロジック半導体もあります、最近注目のパワー半導体はEVの電流制御に使われますし、音や光などの情報をデジタル化するアナログ半導体もあります。

集積度の観点からみれば、微細化が進んだ先端半導体もあれば、高密度を三次元化によって実現する「3D半導体」と呼ばれるものもあります、AI半導体はもともとエヌビディアが画像処理用として供給してきた半導体ですが、チャットGPTの登場によってにわかに注目を集めました。

このように半導体は多岐にわたる分野で使われていますし、技術面でも大容量化と高性能化が同時に進んでいます。

さらに半導体関連株という言葉でひとくくりにする場合、たとえば半導体製造装置メーカー、完成した半導体を検査する検査機メーカー、半導体製造に使用される素材メーカー化学品メーカー、もちろん半導体の完成品を作っているメーカーなど、半導体の製造や販売に携わる広範囲な会社をさします。さらに半導体は前工程から後工程までに至る分業制ができており、その点でもすそ野が広い産業です。

このように広範囲に及ぶ半導体関連企業の中で、確かにいまエヌビディアをはじめ、日本では検査機メーカーのアドバンテストや製造装置メーカーのタツモなど、多くのAI半導体株が注目されていますが僕はこのような生成AI関連株は、数ある半導体関連銘柄の一つの分野に過ぎないとみております。

いまはなにかとAI半導体に焦点が当たっていますし、巷の人が大騒ぎするのはわかります、でも上記のように半導体産業の範囲は広く、そこばかりに注目すると相場を見誤っていまいます。もちろん中長期的にAI半導体が、半導体の市場全体をさらに持ち上げるのは間違いありませんが、上のように生成AIは半導体関連株の一分野に過ぎません。

半導体関連株全体を見る

そのような視点で日本全体を見渡せば、たとえば次の半導体サイクルの頂点に向け、これから大化けする可能性がある会社はたくさんあります。日本は半導体の最終製品では影が薄いですが、製造装置、研磨機や検査装置、より微細設計するための密着材や炭化ケイ素をスライスするための切断装置など、半導体製造になくてはならないニッチ・トップ企業はたくさんあります。もちろんエヌビディアは将来性抜群だと思いますが、灯台下暗し、日本はこんな優良企業の宝庫でもあります。

あと先月号でお話ししたように、半導体市場の底入れ時期ですが、年初時点では今年3月と見られていましたが、意外と底は深く、足元では今年の後半から来年のはじめと修正されています。

株価は年初の見通しに基づいてすでに急上昇してきましたが、上のような見通し修正に伴って、しばらくはやや下落基調から足踏みといったところでしょう。

ただしこれは決して悪いお話ではありません。

「山高ければ谷深し」、逆もまた真なりで底が深ければ次の山は高くなります、さらにAI半導体やEVのパワー半導体、集積度を高めるための3D半導体などの技術革新も加わり、次のピークはかなり高くなるとみております。

しかも次の半導体需要のピークが後ずれすることによって、息の長い相場が期待できるでしょう。

たしかにエヌビディアの生成AIは面白いテーマではありますが、大勢の他人と一緒に騒いでいては、株の世界でなかなか勝てません。時間軸の点でも目を配る範囲の点でも、より広い視点で半導体市場を見ておくべきだと思います

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