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Looking for valuable coins

日本の大判・小判を見直してみる

2026年2月28日

コインは単一の市場ではない

日本だけでなく、世界中を見渡しても株価の上昇には目を見張るものがあります。富裕層ほど株の保有額が大きいという現実から考えて、おそらくいまこの瞬間も、富裕層が持つ資産は膨らみ続けているはずです。

ふくらんだ富裕層マネーは分散先を常に探しており、その選択肢の一つがコインであることは間違いありません。

ここ数年、あるいはここ十何年、あるいは何十年にもわたるアンティークコイン相場の上昇は、そんな大局的なおカネの流れを反映したもので、この流れはこれからも長期にわたって続くと僕は思います。

以上マクロ的視点の見通しですが、コイン市場を子細に見ると全く別の風景が見えてきます。

それは急騰しすぎて過熱感が漂う分野と、逆に長らく安値に放置されている分野の混在です。まあ簡単に言えばコインは単一の市場ではなく、割高な領域もあれば逆もあるということです。

実際にどのような分野に過熱感があるか、逆に割安感が漂う分野はどこなのか・・・、この見極めはとても大切だと思います。前期のようにコインは長期で持てば値上がりする可能性が高い資産ではありますが、もし過熱しきった分野に投資すればどうでしょう。市場価格が買値を下回る状態、いいかえれば含み損状態が長く続き、これは決して気分の良いことではありません。

そのような「加熱コイン」を避けるため、市場でどの分野が過熱しているのか、逆に割安領域はどこなのか・・・、いつも考えておく必要があります。

長らく放置されてきた大判・小判

そのような視点で見れば、日本古金銀(「こきんぎん」)には強い割安感があります。「古金銀」という言葉はなんだか小難しい言葉ですが、まあ簡単にいえば「ここ掘れワンワン」の大判・小判です。

今回はホンのさわりなので細かい話はしませんが、大判は初めて豊臣秀吉によって作られた大型の金貨で、具体的には「天正大判(1571年-1609年」に始まり、江戸時代の末期まで続きます。

小判のほうは大判よりやや歴史が浅いのですが、それでも慶長年間に最初の小判「慶長小判(1601年-1695年)が発行されています、小判も大判同様、江戸時代末期まで数多くの銘柄が発行されています。

大判にせよ小判にせよ、日本で独自に発展したコインで、アジアだけでなく世界を見渡しても同類のコインは見当たりません。下の写真は日本最古の大判「天正菱大判」ですが、驚くのはそのサイズ感です。

(天正菱大判、1573-1591年)

縦14.5セントほど、横8.5センチほどもある超大型金貨で、重さも165グラムほど(約5.3オンス)もあるビッグサイズです。

世界的にみてもかなりの大型金貨で、同時代かろうじて対抗できるのは神聖ローマで発行された30ダカット(約105グラム)あたりでしょう。ユニークなのは重さだけではありません、文字通り「小判型」に成形された形状です、造幣当局の目印は西洋式の刻印ではなく墨書きで、額面や彫金師の花押(サイン)が手書きされています。この点でも他国ではみられない独自性を持ちます。

残念ながら神聖ローマの30ダカットのように元首の肖像は描かれていませんが、もしここに豊臣秀吉の顔が書かれていたら、いったいどれほどの価値が付いたか想像もできません。現在のこの天正菱大判の想定相場は2億円を超えますが、それでも評価不足だと僕は思います。現存数は10枚内外だと言われていますし、豊臣秀吉が大阪城で大名に配ったという歴史もあります。

一方で大判小判に流れるマネーというマクロの視点からみるとどうでしょう。

目先やや過熱感は見えますが、それでも長期で見れば日本株はまだまだ上がっていくでしょう。その結果、「次々に誕生する新富裕層」と、「昔ながらの富裕層」の資産拡大が同時に起きるでしょう。

上の天正菱大判の場合、現在価格2億円という水準から考えて、新富裕層が買うことはないと思います。が、「むかしながらの資産家」もまた株価上昇によって、これからさらに資産規模を拡大するはずです。そのような「旧富裕層」は資産の分散の観点から自国のコインへ投資する可能性が高いと思います、明治以降に発行された「近代金貨」もその候補ではありますが、一部のおカネは高額な大判、あるいは値が張る希少小判に流れ込むでしょう。

なにより大判小判は長期にわたって安値に放置されてきた領域で、残存数、歴史的価値という点でも、なぜこれまで放置されてきたのか不思議な領域です。たしかに大判小判は世界的には異端コイン、いいかえれば「ガラパゴスコイン」ですが、ここにきて日本人の好みは日本独自なものに回帰しているように思います。外国人もまた日本のアニメやキャラクターを好むように、日本的なものに注目し始める可能性があります。

天正菱大判は数年に一度市場に出てくるだけで、なかなか継続的に相場を知ることはできません。一方で江戸時代の大型金貨、すなわち慶長大判や元禄大判、享保大判、天保大判、万延大判の5銘柄は、すでに状態のよい個体、PCGS社によって鑑定された高状態のコインは、値上がりし始めています。

大判は値が張りますが、小判なら最低で20万円、高くても500万円ほど出せば結構いいのが買えます。

脱デフレによる現物資産への注目度アップ。富裕層がより富裕に、そんな流れで古金銀はいずれ買われるに違いありません。よしんばすぐに値上がりしなくても、すでに長らく放置されてきたコインです。インフレに加え富裕層資産の拡大という好環境下で、ここから大判小判の値が下がるとは思えません。

「麦わら帽子は冬に買え」です。

なお時間の都合で今回はあまり詳しく書けませんでしたが、今後何回かにわたって大判小判のお話をしたいと思います。

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