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Looking for valuable coins

日本の大判・小判を見直してみる-3

2026年4月28日

割安感が目立つ日本の大判・小判

前回は小判・大判に割安感があるというお話をしました、あらためてその理由を説明すると

  • 日本では「株価の上昇」と「物価の先高観」が同時に進行し、新しく生まれつつある新富裕層が分散の対象としてコイン投資に注目する。その一部は自国のコインに流れ込む
  • 日本の古金銀(大判・小判・一分金・二分金・・・)は長期にわたり放置されてきており、買いのエネルギーが蓄積されている

では具体的にどのような銘柄が期待できるのでしょう、前回は万延大判についてお話ししましたので、今回は小判についてお話ししましょう。

値上がりが期待できる慶長小判

江戸時代には11種の小判が発行されました、一般論からお話ししますと、時代がさかのぼるほど値が張ります。

特に希少性が高いのは1601-1695年に発行された慶長小判です。なにぶん時代がふるく、徳川家康肝いりのコインです。この小判は1400万両(注)ほど作られた記録がありますが、もしこの記録どおりだとすれば当時、世界で最も多く作られた金貨ということになります。時代的にはヨーロッパの大型ダカット(重量では5ダカットに相当)に近いのですが、同時代の5ダカットはおそらくすべての銘柄を合わせても100万枚は発行されていないと思います。このことからもこの1400万両のすごさがわかります。

注)細かく言えば、同時代に発行された「慶長一分金」を合算した枚数です、「慶長小判」の額面は一両、「慶長一分金」の額面は一分(すなわち1/4両)です、「慶長小判」と「慶長一分金」の発行数の比率は不明ですが、感覚的には1対10ほどではないでしょうか、であれば「慶長小判」の発行数は140万枚ということになります。

一枚当たりの金の含有量は15グラムほどですから、慶長小判(および慶長一分金)だけで210トンの金が使われたことになります。日本は黄金の国とヨーロッパからみられていましたが、その見方もあながち間違っていなかったことがわかります。すみません少し話がわきにそれました。

この慶長小判にはいくつかのバラエティがありますが、状態の良いもので300-400万円ほど、美品程度なら100-150万円が相場です、全国で流通したコインとしては日本初の小判で、一枚一枚丁寧に作られています。のちの世の小判のようにやたらたくさん両替商の刻印は打たれておらず、状態の良いものが多い印象です。この時代の金貨は金の含有量も多く、本銘柄も約84%(のち約86%)と高品位です。1400万枚も打たれた割に、市場に出てくる頻度は少ないのは、のちの世に行われた改鋳によって溶かされたからでしょう。上の相場帯はそのあたりを踏まえた希少性によるものです。江戸時代後期に発行された文政小判や天保小判ならPCGS-AU58でも40万円-60万円ほどで入手できることを考えると、
やはり値の張る小判です。

さて、下の個体は本年(2026年)1月に落札されたもので、PCGS社の鑑定を受けたもの(評価はMS62)でした、ハンマープライスは22,000ドル(総支払額ベースで460万円ほど)でした。同じくPCGS-MS62の個体は2021年あたり14,000ドル前後で落札されていましたので、少し値を上げてきました。

(慶長小判、Stack's & Bowers オークションサイトより)

ここ数年PCGS社による鑑定コインは市場に出始めましたが、本貨のように数字付きで鑑定されるコインは稀です、多くの小判は両替商による刻印あり(Chopmark)、もしくはひっかき傷あり(Scratch)でDetails鑑定になってしまいます。私たち日本人にとって両替商の刻印は「あってあたりまえ」で小判の価値を大きく下げるものではありませんが、今後PCGS社の鑑定コインが増えてくると、その希少性から数字付き(もちろん両替商印があれば数字はつきません)の価値はさらに上がるでしょう。現在PCGS社の鑑定数をみると、数字付きの鑑定は113枚のみ、1400万枚も発行されたコインにしてはかなり少ない枚数です、といってもPCGS社に持ち込んで鑑定する所有者はまだ少数派ですから、これから徐々に鑑定済み小判は増えていくでしょう。

ちなみに現在のオークション相場を見てみると、慶長小判のPCGS Details/Chopmarkの落札相場は8000-9000ドルほど(注)です、下の小判はつい先日(2026年4月)も海外オークション出品コインですが、ハンマープライスは8,500ドルほど、総支払額ベースで180万円ほどでした。ご覧のようにかなりの高状態ですが、両替商の刻印(赤〇)が2か所ありました。

(慶長小判、Stack's & Bowers オークションサイトより)

PCGS社に出しても、なかなか数字がついて戻ってこない現状・・・、これも日本の小判がガラパゴスコインから世界コインの仲間入りする過程で、避けて通れない道だと思います。

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