スマートフォン版に切り替える

Looking for valuable coins

暑い夏のコインオークショを終えて

2020年8月21日

みなさんこんにちは。

例年7月から8月にかけ、
コインの世界はオークションで盛り上がります。

コロナの影響でいくつかのオークションはキャンセルされましたが、
それでも今年の夏は例年以上に暑い夏でした。

この夏場のオークションを振り返ると、
いくつかの象徴的な変化がありました。

一つは希少なコインの暴騰です。

たとえばヘラクレスが描かれた、
フランスのピエフォー(注)50フラン金貨です。

注)通常のコインの倍の厚さのコインです、
フランスでは16世紀以降、伝統的にピエフォー貨が
造られてきました。

このコインは春先まで110万円ほども出せば買えたものですが、
今夏のオークションでは160万円以上が当たり前になりました。

同時に発行されたプラチナ貨はさらに希少品ですが、
こちらも200万円以上が新相場です。

あと参加者を驚かせたのは、
イギリス領インドで発行されたウィリアム4世の2モハール金貨です。

たしかに状態は素晴らしくPR66と2番目の高鑑定でしたが、
ハンマープライスはビックリの17万ドル、落札者の総支払額は
約2400万円です。

このように希少性の高いコインや状態の良いコインについては、
私たちは過去の相場を忘れなければなりません。

コインの世界では、
現在進行形で新しい相場が形成されつつあるといえるでしょう。

この動きは、
上記のような高額コインだけのものではありません。

たとえば古代のコインです。

昨年あたりまでは一枚4万円から5万円ほどで落札できた、
ビザンツ帝国(東ローマ帝国)のソリダスと呼ばれる金貨群。

4グラムほどの小さなコインですし、
デザインも工夫がなく、
さして面白いコインではありません。

それでも5万円はいかにも安すぎました、
安すぎるものはいずれ水準が訂正されるものです。

夏場のオークションでは鑑定会社ケース入り、
AU程度の欠点のない個体なら、
総支払額ベースで12万円から17万円が新しい相場です。

クシャン朝インドも相場訂正の過程にあります。

あいかわらずVF程度の並状態のコインなら10万円以下で買えますが、
EFやAUなどの好状態のコインなら、
オークションで100万円以上の値を付ける個体も出てきました。

先日の国内オークションでカニシカ1世のEF+は60万円で始まりましたが、
なんとハンマープライスは145万円です、
落札者の総支払額ベースでは160万円になりました。

昨年までならちょっと考えられない相場です。

以前から僕は古代インドのディナールは安すぎると申し上げて
きましたが、これでやっと適正相場に近づいたと思います。

古代アケメネス朝ペルシャのダリックと呼ばれる金貨も、
ここ数か月で急騰した印象です。

昨年あたりまではAUクラスが20万円代で落札できたのですが、
この夏の新相場は50万円代に突入です、「走る王」が描かれた
この金貨もデザイン通りの快走をみせています。

このコインなども過去の相場は安すぎました、
今から2400年前に造られた歴史遺産が20万円で手に入るなど、
よく考えればヘンです。

このように夏場に入ってのコイン相場上昇は、
一部の希少コインだけの高騰にとどまらず、
相場全体の水準訂正という色彩が濃いのではないかと僕は思います。

ではこのような相場水準の訂正は、
どのような背景で起きているのでしょうか。

僕は単なる一過性のブームだとは思いません。

コイン相場全体に見られる水準の訂正は、
以下のような世界経済の変化を反映したもので、
ある意味で自然なものではないかと思います。

コロナによる世界経済の収縮
  ↓
各国政府による過去最大の財政出動と、
中銀による巨額のマネー供給
  ↓
相対的な実物資産への信頼感の高まり

コロナ禍は近々終息が予想されますが、
新たな感染症の流行は、
今後もあるとみておくべきではないでしょうか。

西暦2000年以降のわずか20年ですら、
SarsにMersそして今回の新型コロナです。

人と動物の居住圏の重なりや人間の行動範囲の拡大は、
新しい感染症の発生を予想させます。

そればかりではありません。

市場に供給された巨額のマネーは経済の振幅を拡大し、
それがまた経済危機のきっかけになるでしょう。

ひとたび危機が起きると、
政府は財政出動とマネー供給を拡大し、
危機を抑えこむことになります。

このように各国政府の財政の規模拡大は止まるところをしらず、
それと呼応する形で市場には未曽有のマネーが供給され続けることに
なるでしょう。

巨額のマネーは相場の振幅を拡大し、
現預金ですらその難から逃れることは難しいでしょう。

その場合、富裕層ほど被る被害は大きくなり、
彼らが資産の一部を実物に移動させる流れは
止めようがないと僕は思います、

言い換えれば現在と近未来を覆う私たちの不安感の台頭が、
コインはじめ実物資産の相場を押し上げているのではないでしょうか。

以上が僕が考える「コイン新相場」の解釈です。

では今回はこのへんで。

単なる入札代行ではなく、このサイトの主催者である田中がコンサルさせて頂きます、
コイン初心者の方でも安心してご利用いただけます。