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Looking for valuable coins

なぜ私たちは実物資産を買うのか

2021年4月30日

ここ数年さまざまな実物資産の値が上がっています、金は昨年末に史上最高値1オンス=2000ドル台に乗せました、美術品も驚くほど値を上げていますし、ルビーやスピネルなど宝石も値上がりが顕著です。アンティークコインも値を上げていますし、世界的に高額不動産の売れ行きが順調なようです。

実物資産を持っていても、株と違って配当をくれるわけではありませんし、債券や預貯金のように利息ももらえません、売り買いのコストの高さは株や債券の比ではありませんし、保管の手間やコストもかかります。

にもかかわらずなぜ私たちは実物資産を買うのでしょう。

日米欧の紙幣大量印刷に財政の悪化・・・お札の数が増えますと相対的な実物資産の価値は上がります、財政の悪化は貨幣に対する信認の低下につながりかねず、最悪の場合、紙幣がもともとの素材である紙に戻る可能性すらあります。

現金にせよ預金にせよ、債券にせよ、株式にせよ、電気的なデータであり虚構に過ぎません、つまり政府がどのような政策を選択するかによって価値が維持されたり、極端な場合は無価値になったりします。

つまり紙の資産もしくは電気的データの資産の価値は、全面的に政府が採る政策に依存しているわけです、比ゆ的に申し上げれば私たちの財布のひもの片側を、常に政府に握られているといってよいでしょう、この場合いくら私たちがしっかりと財布のひもを縛ったつもりになっていても、政府が握る反対側のひもが緩んでいればおカネは漏れ出してしまいます。

これに対して実物資産はどうでしょう。

上記のようにコストや手間はかかりますが、すくなくともおカネを完全に自分の管理下に置いておける点に安心感があります、たしかに現物資産の価格も政府や日銀の政策の影響は受けますが、例えばリーマン・ショック以降、現在に至るまでの政策を見ればどうでしょう、財政は悪化することはあっても改善することはありませんでした、お札の供給量に至ってはタガが外れてしまったかのような大増刷で、危機がやってくるたびに大量のお札が印刷されています。あたかも他の選択肢を忘れてしまったかのように。

たしかに実物資産とて政府や中央銀行が採る政策の影響を免れませんが、すくなくともここ20年ほどの経緯を見る限り、その影響は実物資産の価値を高める方向にしか動いていません。

政府が貨幣の管理に失敗した場合の被害は富裕層ほど大きく、彼らがせめて資産の一部でも実物資産に置きたいと考えるのは理解できます。