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Looking for valuable coins

9月の香港オークション-1

2021年9月30日

最新の海外オークションから

秋はオークションの季節です、今月もホンコンやドイツなどでいくつかの大きなオークションがありました、特に僕が注目していたのは香港です、例年このオークションでは中国コインだけではなく、アンナン(ベトナム)やモンゴル、ネパールやカンボジアなど、アジアのコインがたくさん出てきます。

中国恒大集団の経営悪化や中国PMIの低下など中国経済に陰りが見えるなか、中国やアジアのコイン相場はどう動くのか、また習近平さんが唱える「共同富裕」によって富裕層イジメが進むなか、コイン相場はどのような影響を受けるのか、これは僕にとっては最大の関心事の一つです。

果たして富裕層によるコイン投資にブレーキがかかるのか、それとも逆に不動産投資やビットコイン投資から締め出された富裕層マネーがコインに流れ込むのか・・・、オークションへの代行参加をしながら、また自分自身が欲しいコインのセリに参加しながら、上記のような点にも関心を持ちつつ僕はオークションに見入っていました。

そのような観点で、少し今回のオークションの結果を点描したいと思います。

まず注目したのはアンナン(ベトナム)です、アンナンはアジアコインの中でも早くから相場が上がっていましたが、今回のオークションでは完全に高値が定着したように思います、一般にある領域のコインが急に人気化し相場が上がることはよくありますが、真価が問われるのはそのあとです、ホンの一部のコレクターが買い進めた結果、高騰しても持続性がなく下落に転じることも珍しくないからです。

なにぶんコインの世界は時価総額が小さく、一部の好事家の買いが終わればお終いということもあるのです、でもアンナンに関しては完全に高値が定着したといってよいでしょう、今年に入ってもアンナンコインは上昇し続けており、7銭銀貨でMS63なら300万円が4月あたりのオークション相場でした、残念ながら今回は5銭・7銭大型銀貨のMS63クラスは出てきませんでしたが、MS62の「紹治通宝」が出品され、ハンマープライス24,000ドルで落札となりました、消費税込みの総支払額は350万円です。

(アンナン、紹治通宝7銭銀/「ときいろ」サイトより)

4月時点ではMS63が300万円ほどでしたので、アンナンの上昇はまだ続いているといってよいでしょう。

アンナンで一番驚いたのは「啓定通宝7銭銀貨」です、今回の出品コインはPCGS-58でした、穴も開いていませんし、ちゃんと数字は付いているので立派なコインではありますが、ハンマープライスはビックリの14,000ドルまで伸びました、落札者の総支払額ベースでは200万円以上にもなります、なお事前のエスティメートは4000-6000ドルでした。AU58が200万円を超えたのにも僕は驚いたのですが、もう一つ驚いたのは、まったく同じ銘柄、同状態(AU58)を僕は「ときいろ」で昨年お売りしていたからです、なお当時僕が設定した売価は44万円でした。Nさんおめでとうございます!よかったですね。なお「ときいろ」は僕が趣味でやっているネットショップです、コインは皆さんから代行オークションをご依頼いただいたおり、セリに参加するついでに買い付けています、なにぶんオークションは日がな一日やっており、ときどき「おやっ」というくらいの安値で競り落とされるコインがあります、僕はそんなコインがあれば仕入れておきます。ちょっと宣伝みたいになってすみません、それくらいアンナンは高値が定着しているということを申し上げたかったのです。アンナンに関しては、もう元の価格に戻ることはないでしょう。

(啓定通宝7銭銀貨/「ときいろ」サイトより)

数字のつかないアンナンもジワジワ値を上げています、今回「嗣徳通宝」のAU Details Cleanが出品されましたが、ハンマープライスは2500ドル、日本円の総支払額は約36万円でした。穴あきコインですら7銭ならハンマープライス2000ドルを超えるようになってきました。

以上アンナンですが、アンナンに関して言えば中国減速や富裕層への規制強化の影響はまったく見られません、むしろ相場は引き続き上昇しているといえるでしょう。

続いてモンゴルです、モンゴルといえば1925年発行のトゥグリルです、

(モンゴル1925年1トゥグリル銀貨/「ときいろ」サイトより)

直径33ミリ、重さ20グラムほどの小ぶりな銀貨ですが、これでも当時モンゴルの最大の銀貨で最高額面です。10年ほど前ならそれこそ一山いくらで買えたものですが、ここ数年はメキメキ値を上げています、モンゴル人の買いも多少あると思いますが、他のアジアコイン同様、中国人やアジア人富裕層によるカイの結果だと僕は考えています、中国コインの想像を超える値上がりで、比較感から彼らは周辺のアジアコインを買い始めたのだと僕はみています。

今回はMS64がなく最高ランクでもMS63(3枚)でした、今年4月に香港で開かれたオークションで、このコインのMS64が6000ドルで落札され驚きましたが、果たして今回はどうなのか、一回だけの異常値なのか・・・それともこれが新相場帯になって定着してゆくのか、そんな目で僕はセリを見ていたのですが、結果は1900ドル、2800ドル、5000ドルでした。MS64が6000ドルならMS63は3000ドル前後が妥当ですが、コインは一枚一枚状態が異なります、僕の目では5000ドルの個体はイマイチだったのですが、まあ好みは人それぞれです、それよりも1900-5000ドルという今回の結果は、今年4月の結果が異常値ではなかったことを裏付けているといえるでしょう。

最後に中国本体です、この原稿に時点ではまだオークションは続いていますので何とも言えませんが、ここまでの経過をみる限り、中国経済減速や富裕層規制の強化はコイン相場に影響していません。

大清銀幣ならXF45程度でも5000ドルが今回のオークション相場です、一昔前ならこれも一山いくらでした、前回4月の香港オークションより、少し相場水準を上げている印象です。

続いて中国コインの代表銘柄「袁世凱の1円」を見ておきましょう。これをみれば全体がわかります。

(中国袁世凱1円銀貨民国9年/「ときいろ」サイトより)

今回出てきた本銘柄の最高状態はMS65でしたが12,500ドルで落札されました、総支払額ベースで約180万円です、さらっと180万円と紹介しましたが、この数字はとんでもない数字です、前回4月でもこの銘柄のMS65は出てきましたが5500ドルと4600ドルで落札されました、サンプル数が少ないので何とも言えない部分はありますが、今回の12,500ドルが破格に高額だったのは間違いありません。

まだオークションは続いており、中国コインの後半やネパールなどセリが終わっていません、でもここまでを見る限り、中国コインやアジア諸国のコインの相場上昇は続いているように見えます。

中国の景気減速や富裕層イジメにも関わらず、少なくとも現在のところコイン相場への影響は出ていないと結論付けてよいのではないでしょうか、僕は引き続きこの点について注視し続けたいと思います。オークション後半戦の結果はもしかしたら来月お伝えするかもしれません。