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Looking for valuable coins

2022年前半のコイン相場を振り返って-アメリカコイン編

2022年4月28日

ここのところ円高に加え、コイン相場そのものの上昇もあり、足元のオークションでもコイン落札価格が随分と上がっています、そこで今回から何回かにわたり、最近のコイン相場のトレンドについてお話ししたいと思います、初回はアメリカコインです。

年初来のアメリカコイン相場の動向について

あいかわらずコイン相場は全体的に値上がり傾向が続いていますが、アメリカコインも同様です。本欄でも何度かお話ししてきましたが、アメリカのコインはここ30年ほども、ほとんど値動きしてきませんでした。

でもこの考えはそろそろ捨てなければなりません、以下はアメリカのコイン鑑定会社PCGS社が組成しているPCGS 3000の直近3年間の推移です、PCGS 3000はアメリカの代表的な3000銘柄のコイン価格の平均値です。

(PCGS 3000の直近3年間の推移:PCGS社サイトより転載)

ご覧のように昨年4月あたりから急伸しているのがわかります。この傾向は僕自身の実感と一致しています、例えば以下はリバティヘッドと呼ばれる20ドル金貨ですが、この一年だけでも買値は25%ほど上がっています(注)、この傾向はこの銘柄だけではありません、リバティヘッドの次に発行された「セントゴーデンスの20ドル金貨」も同程度値上がりしていますし、ありふれたモルガンダラーですら状態の良いものは値を上げています。

注)PCGS-MS64クラスの高状態の場合です

(1904年、アメリカ20ドル金貨)

しかも上記はドル建て価格で、日本人が買う場合はさらに円安効果が加わります、仮にドル建て価格が25%値上がりし、ドル円が110円から125円に動けば、円ベースではさらに14%ほど膨らみます、したがってこの一年で、円建てのリベティヘッドは40%以上も値を上げたことになります。

  • 125%×114%=142.5%

ただし現在の相場は長期でみれば、少なくともドルベースでみれば、決して高すぎるとは言えません。以下はPCGS 3000の1970年来の長期チャートです。

(PCGS 3000の1971年以来の推移:PCGS社サイトより転載)

ご覧のように現在の相場は最高値を記録した1989年の半分以下に過ぎません。

上記はアメリカの代表的な3000銘柄を指数化したものですが、アメリカのコインには、もっと値上がりが顕著なコイン群があります。例えば「プルーフ金貨」群です、PCGS社は上記PCGS 3000とは別に、さまざまな領域別にアメリカコインを指数化していますが、以下はProof Gold Coin指数で、レアなプルーフ金貨の価格を指数化したものです。なお上は3年グラフで下のグラフは1970年以降のグラフです。

(PCGS Proof Gold Coin Indexの直近3年間の推移:PCGS社サイトより転載)

(PCGS Proof Gold Coin Indexの1971年以来の推移:PCGS社サイトより転載)

ご覧のようにこの指数をみると、相場はすでに1989年に記録した最高値に近づきつつあります。

プルーフ金貨だけではありません、たとえばアメリカコインのうち、特年(特にレアな年号)や特別にレアなコインだけを集めた指数(Key Date and Rarities Index)があるのですが、以下のようにすでに1989年の水準を大幅に上回り、昨年からまた上昇トレンドに入っています。

(PCGS Key Date and Rarities Indexの1971年以来の推移:PCGS社サイトより転載)

具体的にどの銘柄がこのインデックの対象になっているか開示されていませんが、おそらくたとえば初期の1ドル銀貨や10ドル金貨などは、この指数に含まれていると思います。

(アメリカ1799年、初期1ドル銀貨)

そういえば先日国内で開かれたオークションで、僕はお客様の依頼で代行入札したのですが、アメリカコインは初期1ドル銀貨をふくめ3枚のセリに参加し全敗しました。中でも「フローイングヘア」と呼ばれる初期1ドル銀貨のセリはすさまじく、状態はVF40であるにも関わらず300万円まで札が伸びました。なお僕は2021年4月に、あるお客様に同銘柄(状態もXF40でした)の入札を提案して代行落札していますが、その際のお客様の総支払額は弊社代行手数料込みで148万円ほどでした。あれから1年しかたっていませんが、上記のようにすでに2倍ほどにもなっています。

アメリカコインのカタログと言えば、いわゆる「レッドブック」が有名ですが、すでに最新版2022年のカタログ価格も過去のものになってしまいました、日本人はアメリカコインに興味を示さない方が多いですが、実は隠れた有望領域なのですよ。

次回は中国コインか、円銀、アジアあたりのお話しをしたいと思います、興味ない人すみません。