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経済成長から予想するコイン相場

2023年2月28日

2000年以降の中国コインを振り返って

過去を振り返るとわかりますが、コイン相場の上昇と経済成長のあいだには強い相関性があります、わかりやすい例は中国です、ご存じのように中国経済は2000年以降急成長し2022年までに名目GDPは約12.3倍になりました。しかもこの間、貧富の格差は広がりました、2000年に10万円だったコインが今500万円になっている現状は決して異常とは言えません。

(上位10国、名目GDPの推移と予想:経産省サイトより転載)

中国に続くのは

では中国に次いでコイン相場が上がる国はどこでしょう。

まずはアジアです、例えばベトナムを例に考えてみましょう、以下はベトナムの名目GDPの推移で、時間軸は1980年から現在までです、ドン建てではありますが参考になります。数字で申し上げますと2000年から2022年までに至る倍率は中国を超える約16.7倍です。
本欄をお読みの方ならベトナムコインの値上がりをご存じだと思いますが、ここ5年ほどで5-10倍ほどになっています、確かにすごい値上がりではありますが、GDPの拡大に比べるとまだ十分だといえません。

(ベトナム、1980年以降名目GDPの推移と予想:「世界経済のネタ帳」より転載)

同じ理由でインドネシアやタイなど東南アジアも、まだ上昇が続く可能性が高いと僕は思います。例えば最近人気急上昇中のインドネシアです、以下のコインは1970年に、インドネシア独立25周年を記念して発行された20000ルピアですが、足元では300万円が標準的な落札相場です。すでにこの5年で7-8倍にもなった印象です、7-8倍と聞けばちょっとビックリな数字ですが、同国も2000年から現在まで、GDPが12.6倍ほどになった急成長国です。

(1970年発行、インドネシア独立25周年、20000ルピア)

この国のコインもまだ上昇の初期の段階にあると思います。

アジアの次は

東南アジアの次にやってくるのはインドだと思います、インド経済も2000年以降急成長してきました、上と同様にGDP2022年÷2000年を計算すると約12.5倍です。しかもこの国は足元を見ても成長性が高く、2022年÷2010年≒3.5、すなわちこの10年だけでも経済の規模は3.5倍にもなっていることがわかります。インドネシア:約2.8倍、タイ:約1.6倍、マレーシア:約2倍、フィリピン:約2.3倍とくらべ高成長です。ベトナムはかなりのハイペースですが、それでも約3.4倍とインド並みです。ちなみに中国は約3倍です。

(インド、1980年以降名目GDPの推移と予想:「世界経済のネタ帳」より転載)

コイン相場を動かす要素は経済成長だけではありません、コイン収集は富裕層の趣味ですから、富裕層の厚みも重要な要素になります、ほかに国民性もまた重要な要素の一つです、インドのように歴史的に金の現物志向が強い国民にとって、コインは身近な投資先になりえるでしょう。一方でインドコインの相場上昇はまだ始まったばかりです、2000年対比で経済規模が12倍を超えるなら、少なく見積もってコイン相場も12倍が妥当です、にもかかわらず、僕の体感ではこの間の相場上昇はせいぜい4-5倍といったところです、現在、将来の上昇に向けたエネルギーの蓄積中といっていいでしょう。

ほかの地域ではアメリカ(USA)もねらい目だと思います、本欄最初に挙げたグラフのように、アメリカのGDPは先進国の中では順調に拡大しており、例えば2022年÷2000年≒2.4倍です、東南アジア諸国と比べると見劣りしますが、先進国の中ではかなりの成長率です、一方でコイン相場を見れば2000年以降ほとんど横ばいです、下のグラフはアメリカのレアコイン3000銘柄の落札相場を指数化したもの(=PCGS 3000 Rare Coin Index)ですが、1989年の大相場でバブルがはじけ、それ以降は低迷を続けていることがわかります、よほどアメリカ人はコインバブルに懲りたに違いありません、それほどアメリカのコインバブルは強烈でした。僕が知る限りコイン史上最大のバブルでが、なんだか日本の不動産バブル(1990年代)崩壊と現代に至る過程と似ています。

(PCGS 3000、1970年以降の推移:PCGS社サイトより転載)

でも長らく続いたバブル後遺症もようやく終わったように僕は思います、下のグラフはPCGS 3000の直近10年間の推移ですが、ご覧のように2020年を底に急騰が始まっています。1994年以降の長期スパンで見るとまだボックス圏にあるように見えますが、そろそろボックス圏を上抜けする兆しがでていると僕は思います。なにしろ1994年時点のNYダウは3000ドルほどでしたので、株のほうは10倍以上に値上がりした計算です。

(PCGS 3000、10年間の以降の推移:PCGS社サイトより転載)

以上今回は、経済成長性から見た今後有望な地域や国について考えてまいりました、今後の収集のご参考になれば幸いです。

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