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Looking for valuable coins

足元で起きた中国コインの上下動から学ぶべきこと

2023年6月30日

ここ数日ネット経由で海外のオークションに参加していました、
一番興味があったのは中国コインの値動きです。

このレポートをお読みの方はご存じかもですが、昨年は「中国コイン激動の一年」でした。

年初から年央にかけ高騰し、この間の上昇率は2倍ほどにもなりました。でもそこから急落し年末にかけ半分ほどにもなってしまったのです。

一般にコイン相場は値動きが緩く、僕もこれほどの上下動は初めて経験しました。

昨年の年初時点ですでに中国コインのバブル化は感じていましたが、正直申し上げて、その後これほど大きな上下動があるとは思いませんでした。この間の値動きは今後コインの世界で儲けてゆくために、研究しておかなければなりません。

2000年以降の中国コインを長期的な視点で振り返る

子細に見れば、2000年以降に起きた上昇は、以下二つの時期に分けて考えることができます。

まずは2000年からリーマン・ショック2008年前までの上昇です、この間の上昇はさほど急ではなく、せいぜい希少性の高い銘柄群で起きたなだらかな上昇です。たとえば「自動車ダラー」ですが、2000年時点で10万円だったものが2008年あたりの相場は30万円ほどにすぎませんでした、8年で3倍といえばかなりの急騰ではありますが、これは中国のGDPの拡大とほぼ一致しています、ご参考までに同国のGDPを見ると2000年時点で約10兆元、これに対して2008年時点のGDPは約32兆元です。

このようにGDPの成長並みの速度で上昇する場合は決してバブルではありません、経済の成長期には、日本の1980年代のように国民の投機熱が株式や不動産に向かうケースが見られます、一方でコインはそのような投機熱の対象になることは少なく、結果として中国のコイン投資へのエネルギーはこの間、むしろ逆に蓄積されたのではないかというのが僕の見立てです。

中国で蓄積された「コイン投資エネルギー」が解放されたのは2009年以降で、中国政府の4兆元対策(注)が起点になったように思います。

注)中国政府は世界経済がリーマン・ショックで危機に陥るなか、4兆元(当時のレートで60兆円以上)にも及ぶ巨額投資を行いました、この経済対策は世界を危機から救うとして当時世界から称賛されました。今にして思えば中国はこのころから自己の肥大化をはじめ、世界の覇権を意識するようになったと思います。

この巨額な経済対策は、同国経済の再加速という実体経済への影響にとどまらず、中国国民の民族意識に火をつけ、そこから中国の国民は中国株、自国の不動産へと徐々に投機を拡大させていきました、株や不動産はこの間、バブル的な色彩を帯びながら上昇を続けてゆきました。

中国コインが加速しはじめたのはリーマン・ショックから少し後、僕の記憶では2015年あたりだったように記憶しています。株や不動産がGDPを超える速度で急騰するなか、中国の国民、特に富裕層は現物志向を模索し始めます、高級時計や宝石、中国の美術品、そして第二次世界大戦で日本はじめ海外に流出した中国コインの買戻しです、特に中国コインは、経済成長によって自尊心を取り戻した富裕層が好んで買いました。

ではこの間の中国のGDPはどう推移したのでしょう、以下ご覧ください。

  • 2008年 約32兆元
  • 2015年 約69兆元
  • 2021年 約114兆元

上記のように中国コインの第2ステージである2015年から2021年のGDPは、69兆→114兆元の成長で、およそ1.7倍にすぎません。ではこの間「自動車ダラー」はどう動いたでしょう、これも感覚的ではありますが、2015年時点の標準的な状態(VFクラス)は70万円ほど、これに対し急騰前の2021年末時点で200万円ほどでした。したがってこの間の上昇率は3倍ほどで、これはGDPの上昇率1.7倍をはるかに超えています。さらに2021年末から2022年央にかけ、この銘柄はさらに2倍ほど値上がりしていますので、これはどう考えてもバブルです。2022年央をピークに中国コインが半値ほどに下げたのは、あるいみで健全な相場の調整だったといえるでしょう。

中国コインの相場上下動から、私たちは何を知るべきか

では2000年以降の中国コインの値動きから、私たちは何を学ぶべきなのでしょう。僕は二つあると思います、一つ目は(以前から申し上げているように)コインは、その国の経済成長率(=GDP成長率)と密接な関係があるという点です、さらにコインは富裕層の趣味であるという点から考えて、その国の「富裕層の厚さ」の影響も受けるという点にも注意を払うべきでしょう。

逆に言えば上記2つの要素で説明ができない急騰は、バブルの可能性が高いということです。昨年の半ばにかけバブル化した中国コイン相場はこれに相当すると思います。そして一時的に発生したバブルが年の後半に調整されたと考えるべきでしょう。

二つ目は、このようなバブルの見極めと対処法です。上記2つの要素を超えてその国のコイン相場が急騰するときは、少なくともその国のコインから距離を置き、場合によっては手放す検討をすべきです。特に2022年の中国のように、中央銀行の流動性供給が見られない中で起きた場合は要注意です。この場合は、その国のコインを買わないだけにとどまらず、積極的な売却が選択肢になります。

以上今回は、昨年中国で起きたコイン相場の急騰と急落から得た「学び」を紹介させていただきました。きっと今後のコイン投資に役立つと思います。

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