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From the economic column I wrote in the past

流されやすい私たち

2025年6月30日

なぜあんな戦争をしたのか

ずっと前から考えてきたことがあります。

今の日本人は几帳面で真面目です、外国からやってくる旅行者に対しても親切ですし、細かい心遣いもします。

そんな日本人がなぜあんな戦争をしてしまったのでしょうか。

戦争では随分と残虐なことをしていますし、非人道的なこともやったと伝えられています。とてもではありませんが、今の日本人と同じ人たちがやったことだとは思えません。

僕はながいことこの点が不思議だったのですが、この歳になってその理由がわかるようになってきました。

戦争は誰が起こしたのか・・・、

一部の政治家や軍のトップが暴走したという見方は確かに正しいと思います、でも果たしてそれだけだったのでしょうか。僕は違うと思います、確かにそういった面もあると思いますが、当時の新聞や記録類など見返しますと決してそれだけではありません。学者や知識人、会社員からその家族まで幅広い国民が戦争を支持していたことがわかります。もちろんその背景には政治や軍、さらには新聞や雑誌などによって作られた世論があったと思いますが、それを含め日本人が持つ思考特性、いいかえれば国民性によるものではなかったでしょうか。

周りの人の意見に影響されやすく、自ら考えることなく同調してしまう。

そんな日本人の国民性が開戦の背景にあったのだと僕は思います。

日本人がもつ強い同調性

日本人がもつ強い同調性によって起きた現象は他にもあります。

たとえば1980年代に起きた経済バブルです。

僕はすでに新人社会人でしたので当時の空気感はよく覚えています。象徴的だったのはNTTの上場で、国民の多くが新規上場株の抽選に熱狂しました、ちなみにウチの母親もその一人でめでたく一株購入できました、なつかしい・・・。テレビでは連日株価の高騰のニュースが伝えられましたし、僕自身も飲み屋で同僚たちと株の話をよくしたものです。

株と並んで皆が熱中したのは不動産でした。会社の先輩にも「にわか不動産王」がいて、その人は多額の借金をして何室ものワンルームマンションに投資していました。そりゃそうです、不動産の価格は毎月のように上がってゆき、借金をして投資をすればするほど含み益が増えるといったあんばいでした。株にせよ不動産にせよ、身近な人の儲け話は周りの人に伝染し、それを実践した人がまた儲かり、その人がまた儲け話を広めてゆきました。マスコミや証券会社、銀行、不動産会社などの責任も重かったと思います。かれらは彼らの利益のため国民を煽り、こうやって恐ろしいほどのスピードでバブルは育っていきました。

なぜあんなにもすごいバブルが発生したのか・・・、当時の日本の経済成長性や、その成長がいつまでも続くと考える多くの人たち、それを煽って一儲けたくらむマスコミや金融機関など、いろいろな理由が絡まってあの恐ろしい現象が起きたのですが、それらを深くたどってゆくと、やはり日本人が持つ強い同調性に行き着かざるをえません。

自分の頭で考えることなく、政治家や知識人、マスコミや専門家、さらには平凡に生活を営んでいる隣人に至るまで、周囲の意見をなんの疑問もなく取り入れ、自らそれに支配されてしまう・・、日本人が持つあまりに強い同調性がバブルの根源にあったと考えざるをえません。

バブル崩壊後の日本も逆の意味で、この強い同調性に支配された社会だったと思います。

30年デフレ、日本の国力の低下、貧困化、安い日本、財政の悪化・・・、この30年で起きたことはさまざまな言葉で象徴されますが、何のことはありません、この間起こったことはバブルの裏返しにすぎず、これもまた日本人の強すぎる同調性に起因した現象です。

日本以外でも共鳴現象は常に起こっていますが、日本のように頻繁に起きる国を他に知りません。

日本人には、よほど強い周囲への同調意識が刻まれているのではないでしょうか。これは島国である日本の地理的特性と無縁ではないと思いますし、閉鎖性の高い江戸時代に醸し出されたものかもしれません。

周囲との同調は、それ自体決して悪いことではないと思います、社会は安定し犯罪は少ないですし、皆がお互いを意識しますので町は清潔です。冒頭のように海外からの旅行者に親切におもてなしするのも、このような日本人の国民性による部分がおおいと思います。

自分の中にカネの成る木を育てる

一方で投資という観点でみるとどうでしょう。

株の世界では大勢による一斉行動はバブルを招きやすいですし、そもそも大勢で動くから安全という世界でもありません。むしろマスコミや金融機関、専門家など周囲の意見に流されず、自分の頭で行動することで投資効率が高まる世界です。

もちろん自らの判断で動くには、経験や知識、さらには揺るがない自信が求められます。それでも自分の頭で判断しようと努力することはできるはずです、一朝一夕にはいきませんが、千里の道も一歩から、そのような習慣はやがて皆さんのなかで「カネの成る木」に育つはずです。

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