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From the economic column I wrote in the past

銀はまだ買えるか

2025年9月28日

先月の本レポートで、銀の価格が1オンスあたり39ドルを超えて驚いたと書きましたが、今月はさらに値上がりし、足元では44ドルです。

先月は銀に関して少しだけ考えてみましたが、今回はもうちょっと深堀してみたいと思います。

まず以下のグラフは銀の先物価格1年間の推移です。

(銀先物価格、直近1年間の推移:楽天証券のサイトより転載)

年初時点ですでに30ドルと高値だったのですが、そこから現在の44ドルまで50%ほどの上昇です。

でも歴史的に見ると、実はこの44ドルは最高値ではありません。楽天のサイトは10年グラフまでなので、Kitcoのサイトから以下グラフをコピペいたします。

(銀先物価格1935年以来の推移:Kitco社のサイトより転載)

ご覧のように銀の価格は過去2回暴騰しています、まさに暴騰という言葉がふさわしい急上昇でした、一回目は1980年(青矢印)、そして2回目は2011年(黄色矢印)ですが、2回とも高値は一瞬で、その後に急落しています。

銀という金属は市場が小さく、一瞬の投機マネーの流入で、このような派手な値動きをしやすいです。今回は史上三度目の急騰ですが、果たしてまた一瞬の暴騰に終わってしまうのでしょうか。

僕はそのようには思いません。

なぜなら今回は銀だけでなく、金やプラチナも同時に上がっているからです。なので、おそらく投機マネーは限定的だと思います。

以下は上と同じ期間の金グラフです。銀と同じく1980年(青矢印)と2011年(黄色矢印)に上昇していることがわかります。が、その上昇率は銀ほどではありません、特に2011年以降の下落率はさほど大きくはなく、まだ十分に下げきる前に、次の上昇トレンドに入っていることがわかります。

(金の現物価格1935年以来の推移:Kitco社のサイトより転載)

このような近年の金と銀の値動きから、私たちは両者の間にある以下のような関係を知ることができます。

  • 金価格の上昇期には銀が上昇する
  • 銀の上昇率は金を大きく上回る
  • 上昇と下落を繰り返しつつ、金も銀も趨勢的には右肩上がり

なぜこのような関係が成り立つのでしょうか、僕は以下のように考えています。

1. 今回の場合、金に流れ込むおカネと銀に流れ込むおカネの性格は似ている

足元で起きている金の上昇にはいくつかの理由がありますが。大きくまとめると以下のようになると思います。

1)アメリカの相対的な国力低下に伴っておきる、ドル基軸体制崩壊への懸念によって、現物資産、特に金への選好が進んでいる

2)トランプ米大統領が米FRBに加える圧力をみて、アメリカに金融政策の行方に対して不安感が台頭。これはドルの希薄化懸念に結びつき、金へ資金が集まる誘因になっている

3)ロシア中央銀行の資産差し押さえをみて、特にグローバルサウスの中央銀行が外貨準備をドルから金へ移動する動きになっている

4)アメリカだけでなく、主要国の中央銀行によるマネー供給への懸念は払しょくできていない。つまりドルだけでなく、おカネ全体の価値は今後も下がり続けると見て、広く浅く、多くの参加者が金を買っている

中央銀行が外貨準備として銀を買うことはありませんが、それでも1)や2)、4)のような
金買いのマネーは銀にも流れ込んでいると思います、つまり銀もまた金と同じく、
「ドル代替資産」として買われているのだと思います。言い換えれば「超短期の投機マネー」ではないということです。

2. 銀買いの注意点

もし上のような理由で銀が買われているとしたらどうでしょう。上の1)から4)は一時的な現象のようには思えません、この点が過去2回の銀暴騰との相違点です。おそらくトランプさんの次の人が大統領になったところで、その大半は止めることはできないと思います。

であれば今後も銀は買われる可能性が高いというのが今の僕の予想です。

ただし銀の投資に関しては大切な注意点があります、まずは市場が小さく、相場が大きく動くという点です。つまり大きなリターンが得られる可能性はあるが、思わぬ大きな損失を出すこともあるということです。この点は十分ご注意ください。

一定のおカネを銀に投じるのは問題ないと思いますが、銀が買われるとしたらほかの貴金属も買われます、金やプラチナなどへの分散も怠らないようにしてください、特に現状ではプラチナの割安感が強いように思います。

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