過去に書いた経済コラムよりFrom the economic column I wrote in the past
2026年の年初に書いたコラム
2026年1月28日
日本の長期金利
下のグラフは日本国債の10年債利回りの推移です、経済のことがわかっている人なら、これをみて不安になるはずです。
(日本国債10年もの利回り10年間推移:楽天証券サイトより転載)
ご覧のように2022年あたり(黄色矢印)から金利は上昇し始め、特に高市さんが首相になった昨年10月(青矢印)以降は急騰しています。
そういえば、金利がゼロ近辺に張り付いていた時代に、財政拡張派・・・、あるいは財務省陰謀論者といっていいかもしれませんが、そんな人たちからこんな意見を聞かされたものです。
「もし日本に財政の不安があるならば、なぜ日本の長期金利がゼロ近辺に張り付いているのか?それは日本の財政に対する信認が強いからだ。日本はもっと財政を膨らまし、景気を持ち上げ続けなければならない」
でもこの考えは明らかに間違いだったと証明されました。日本の長期金利がゼロ近傍に張り付いていたのは、日本の財政に対する信認の結果ではなく、日銀が大量に日本国債を買い続けていたからにすぎません。
下の円グラフは直近(2025年9月)の、日本国債の保有割合ですが、ご覧のように日銀が半分以上を持っていることがわかります。日銀は特に前総裁である黒田さん就任以降、強烈な量的緩和を行いました。つまり市中に流通する日本国債を大量に買い続けてきたのですが、その結果が、政府が発行してきた国債の半分以上を日銀が持っているという異常な現状です。発行額ベースで言えば、新しく政府が発行する日本国債を、ほぼすべて日銀が買っているかたちです。
(日本国債の保有割合/2025年9月末時点:財務省サイトより転載)
この日銀による「国債の大量購入」によって、日本国債の利回り(=長期金利)は人為的にゼロ近傍に抑え込まれてきたわけで、これは財政に対する信頼の現れではありません。
このように書いてくると、皆さんは「なぜ2024年以降(冒頭グラフの赤矢印)に金利は急騰しているの?」と疑問をお持ちになると思いますが、それは日銀が国債の購入額を減らし始めたからです。よく考えれば国債の半分以上を日銀が保有する状態は異常です。おそらく日銀は「財政ファイナンス」を疑われることを懸念したのでしょう。
注)財政ファイナンス:日銀による政府が発行する国債を直接買うこと、これは法律で禁止されていますが、市中に流通する国債を大量に購入する行為は禁止されていません。でもこれを継続的に行うと日銀の独立性が失われ、日銀が「紙幣を印刷して国債を買い放題」になります、結果として円の価値を薄め円安→高インフレへ結びつく可能性が高まります。日銀の国債大量購入には常にこのリスクがありました。日銀による国債は限界に達したと、当時の日銀は考えたのでしょう。
このような懸念の高まりもあり、日銀は2024年8月以降、少しずつ国債の購入を減らしており、その結果が上のような金利の急上昇です。
つまり日本の金利が長い間ゼロ近辺にあったのは、日本の財政に対する信頼感の反映ではなく、単純に日銀が日本国債を大量に買い続けてきたからに過ぎないのです。
2月8日
さしあたっての注目は2/8の総選挙です。
高市さんは解散総選挙によって議席を増やし、あわよくば自民党単独で過半を占めたいと目論んでいるようですが、日本人の一定数は高市さんの財政膨張策に対して不信感を持っていると思います。
特に足元で進む長期金利の上昇を、「市場からの警告」ととらえる良識ある人たちは増えているようです。というかそう信じたい・・・。
一方でほかの党はどうでしょう。残念ながら自民党だけでなく他の党も(いつものように)成長戦略はなく、ただただ減税の話ばかりです。
自民党が完勝するのか、大勝するのか、辛勝するのか、それとも負けるのか・・・、僕は専門家ではないのでわかりませんが、どこが勝とうが負けようが、選挙のあと、日本の財政への不安が高まることは間違いありません。
与野党の公約が消費税減税で一致しているので、相変わらず市場の懸念、すなわち成長戦略のない野放図な財政拡大への懸念は続き、長期金利はまずは2.5%を目指して上がり続けるでしょう。
為替は円安方向、もし介入がなければ1ドル=163~165円に向かっていたと思いますが、先日の日米の協調による介入(実際にはレートチェック)の記憶から、選挙後も1ドル=160円を超えることはないと思います。ただし介入には賞味期限がありますし、アメリカの現政権は気分次第という面があります、日本単独で市場への影響は知れており、選挙後1月、2月という時間軸で見れば、再び1ドル=160円を超えて円安が進むとみております。
単なる入札代行ではなく、このサイトの主催者である田中がコンサルさせて頂きます、コイン初心者の方でも安心してご利用いただけます。
