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From the economic column I wrote in the past

金融不安と金価格

2023年3月31日

今回は金融不安と金(Gold)の価格について少し考えてみたいと思います。

今月(2023年3月)は上旬にシリコンバレーバンクの破綻があり、アメリカ、ヨーロッパ中心に金融不安が広がりました。2008年起きたリーマン・ショックとは比べ物になりませんが、それでも「ギリシャ発の欧州債務危機」に匹敵する危機だった思います。

僕は金融危機と金価格の動きについて以前から考えてきました。

今回もまた勉強の良い機会になりましたのですこし紹介させていただきます。以下は今年に入ってからの金価格(上)とNYダウ(下)です。

注)いずれも楽天証券のサイトより

シリコンバレーバンクの破綻報道は3/10ですが、それ以前から預金の流出は始まっていました、「黄色矢印」は同行の破綻を織り込んだ動きと考えていいでしょう、当然ではありますが、今回もまた株価と金は逆方向に動きました。おそらくこれから起きるであろう金融ショックに備えるため、リスクマネーの一部は安全資産である金に退避したのでしょう。

リーマン・ショックはもっと強烈な危機でしたが、金と株価には今回と似た動きが見られました、以下はショック直前の高値2007年10月11日と、ショックでNYダウが底を打った2009年3月6日時点の値の比較です。

金価格
2007年10月11日:749ドル
2009年3月6日:936ドル
この間の変動率:+25.0%

NYダウ株価指数
2007年10月11日:14,198ドル
2009年3月6日:6,466ドル
この間の変動率:▲54.5%

上記のように逆方向に動いただけでなく、金の+25%に対して株は▲55%とそのリターンの差はかなり大きかったことがわかります。

この2件(リーマン・ショックと今回のショック)だけで結論付けるのは少し乱暴かもしれませんが、金融ショックが起きた場合、安全を求めて株から金におカネを移すという現象は、多くの人にとって極めて自然な行動だと思います。もし私たちがすでに当時、株と現物の質的分散を実践していたら、資産の消失のかなりの部分を防げたことになります、精神的なストレスも随分と軽減できたに違いありません。

上は過去のお話ですがこの現実は重要です。これからも株と現物への質的な分散が、私たちにとって有効な投資行動であることは間違いありません。

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