過去に書いた経済コラムよりFrom the economic column I wrote in the past
商品相場は需要と供給の均衡点に落ち着く
2023年4月30日
コロナ明けの経済正常化、特に中国経済再開への期待は商品相場にとってプラス材料です、一方でアメリカやヨーロッパで進む急速な利上げは世界経済の後退期入りを連想させます。
昨年末以降の商品相場の動きは、これら二つの要因によって形作られているようですが、いったいロシア問題はどこに行ってしまったのかと不思議になります。
例えばロシアによるウクライナ侵略が最も大きく影響する小麦の相場です。
以下は直近2年間の小麦価格の推移ですが、ご覧のようにロシアが侵攻した昨年3月の急騰から下がり続け、足元1ブッシュエル=600セントは侵攻前の水準です。ロシアとウクライナの間で結ばれた「穀物合意」の影響もあると思いますが、それ以外にもブラジルの豊作や、何より外貨を必要とするロシア自身、小麦の輸出を絞ることができないと市場は見ているのだと思います。
(シカゴ市場、小麦先物価格、直近2年間の推移:楽天証券サイトより転載)
天然ガスでも似た傾向が見らます。
以下は直近2年間の天然ガス価格の推移ですが、ご覧のようにロシアが侵攻した昨年3月の急騰から下がり続けており、小麦と同じで足元は侵攻まえの水準です。
昨冬は北半球で暖冬傾向が強かったこともあるようですが、ロシアがインドや中国などに輸出を拡大し、世界全体ではチャラになっている点が大きいのだと思います。
商品相場にとってはこの点が大切で、時間の経過とともに需要量と供給量の均衡点に価格が落ち着くことがよくわかります。この事実は私たちが商品相場を予想するうえで、すごく大切だと僕は思うのです。これからもいろんな場面で思い出したいと思います。
(NY市場、天然ガス先物価格、直近2年間の推移:楽天証券サイトより転載)
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