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From the economic column I wrote in the past

中国経済の近未来、二つの可能性

2023年6月30日

以下は中国の製造業購買担当者指数(PMI)のゼロコロナ解除以降の推移です、PMIは毎月発表され、製造業の景気を図るうえで便利な指数です、PMIが50以上あれば経済は好調、50を割れば低調と見ます、数か月連続で50を下回れば景気の趨勢は下向きとみていいでしょう。ゼロコロナの解除は昨年12月ですから、今年1月までの50割れは問題ありません、問題はそのあと今年3月をピークに下げ続け、5月と6月は連続で50割れた点です。このことから中国経済の弱さがわかります、なお同国の1-3月四半期のGDP成長率を見ても、対前四半期ベースで2.2%増と低調でした。

(中国PMI指数、ゼロコロナ解除以降の推移直近:Investing.comサイトより転載)

一言でいえばゼロコロナ解除後の中国経済は、思わぬ低調傾向にあるといってよいでしょう、この点については非鉄金属相場からも明らかです。以下は銅とアルミのスポット価格、それぞれ6か月間のグラフです。この2つの商品は中国の消費が世界最大の消費地で、同国経済の動向によって大きく動きます。

以下2つのグラフも、中国経済の低迷を裏付けていると思います、しかもこの6か月はゼロコロナの反動で、本来は経済が大きくリバウンドすると考えられていた期間です。

(銅のスポット価格、ゼロコロナ解除以降の推移直近:Kitco社サイトより転載)

(アルミのスポット価格、ゼロコロナ解除以降の推移直近:Kitco社サイトより転載)

このように、商品相場から見ても中国経済の低調は明らかです、ではなぜゼロコロナ解除にもかかわらず同国経済は低迷しているのでしょう。

二つの可能性があると思います。

一つ目は同国経済が高成長期から低成長期に入ったという見方です。すでに中国は人口減少期に入っていますし、若者世代の失業率は20%を超えているといいます。高度成長への期待がしぼんだ結果、ひと昔のような国民による爆買いは見られなくなり、ミエをはった不動産投資も減っているといいます。ムリを重ね急拡大した中国経済に、アチコチでほころびが見られるようになってきました。

二つ目は一時的なもので、コロナ再拡大への警戒という見方です。

中国経済の世界経済や日本株に与える影響はまだまだ大きく、向こうしばらくは、上記2つの視点から中国経済をウォッチしていきたいと思います。

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