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From the economic column I wrote in the past

半導体の先を考える

2024年2月29日

今月(2024年2月)の世界株は、ほとんどの市場で上昇しました。特に上昇が目立ったのは日本で、日経225は34年ぶりに過去最高値を更新しました。ここのところ弱かった中国株にも、当局のPKO(「株価維持政策」)によって下げ止まりが見えます。

では過去最高値更新中の日本株を見ておきましょう。

以下は日経225のグラフですが、今回は10年間の推移をみておきましょう。こうやって振り返ると随分と上げてきたものです。このグラフだけをみたら、どこの高成長国のグラフかと思います、コロナ・ショック(黄色矢印)などもろともせず、コロナ後に起きた半導体の値崩れ(赤矢印)も切り抜けて、よくここまで上がってきたものです。

(日経225平均株価指数、10年間の楽天証券サイトより転載)

こうやって広い視野でみますと、ここ10年ほどの日本株上昇は、以下のような理由で起きたような気がします。

  1. 地道な企業の努力による稼ぐ力の高まり
  2. 半導体や電子部品産業など、世界有数の技術力を持つ会社が増えた点
  3. 現金貯めこみから卒業し、積極的に設備や研究開発、M&Aに取り組む会社の増加

このような流れは企業の経営者の意識に依存する部分が多く、いったん起きたこのような流れはしばらく続くのではないかと僕は思います。イヤ、そう信じたい!

去年僕はこのレポートで、「灯台下暗し」と日本株への投資を推奨しましたが、その考えはいまもまったく変わっていません、業容も業績もよくわからない外国の会社に投資するのなら、よほど日本株投資に優位性があると思います。しかも変革はチャンス、日本の会社は今そんな段階にきていると思います。

一方で日本株に関して一つ気になる点があります、本レポートの後半で書きますが、半導体株への集中です、たしかに半導体のサイクル上昇は今からが本番ですが、株価は先を織り込みながら動きます、以前僕は半導体株の現状につき「富士山の6合目」と申し上げましたが、もう「7合目」あたりまで来ているかもしれません。仮に早晩半導体株が下落に転じるならば、日本株全体に対しても押し下げ圧力になるでしょう。

そろそろ「半導体ピークの先」を考えておきたいものです。

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