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From the economic column I wrote in the past

AI株は割高なのか

2025年2月28日

いま市場で起きるている綱引き

本レポート前半で書いたように、昨年の12月以来アメリカのナスダック指数はボックス圏に入っています、ナスダックに占めるAI関連株の比率の高さを考えますと、おそらく市場はAIの将来性に対して確信を持っていないのだと思います。

すなわち

  • AI関連の投資、特にデータセンターへの投資が膨らみすぎており、これは一種のバブルではないかという疑念
  • AIはまだ普及の初期段階にあり、関連企業の業績もまだまだ伸びるという期待

こんな警戒と期待が混ざりあい、相場はボックス内を行ったり来たりしているのだと思います、そこにもってきて今朝(日本時間)エヌビディアが四半期決算を発表しました。

皆さんも目にされていると思いますが、結果は事前の予想を上回りました。

特に注目されていた新製品「ブラックウェル(B200)」の出荷は順調で、2024年11月から2025年1月だけで110億ドルの売り上げをあげたようです、同期間のエヌビディアの売り上げは393億ドルだったので、すでに新製品の販売額が全体の28%に達していることがわかります、新製品にしてはかなりの好スタートだったといえるでしょう。

(エヌビディア四半期業績推移:日経オンラインより転載)

さらに注目を集めたのは決算発表後の会見です、以下はCEOジェンスン・ファン氏の発言の抜粋です。

  • 「ディープシークのR1は素晴らしい技術革新だ」と発言、ディープシークの台頭によって、さらにAI半導体の需要は高まることを示唆したようです。
  • 2025年後半に、ブラックウェルの上位モデル「ブラックウェルUltra」を投入する計画がある。
  • さらにその先は、次世代モデル「ルービン」を投入する計画を持っている、詳細は3月に開催する年次開発者会議で説明する。

社長ですから前向きな話をするのは当然ですが、そこを割り引いても現状、先行きともかなり良い方向に向いていることは確かだと思います、ただし一方で、冒頭のような疑念、つまり「AIが期待先行のバブルではないか」という点について払拭できたわけではありません。

悲観すべきか楽観でいいのか・・・、もう少し見てゆきたいと僕も思いますが、今のところAI市場の拡大自体には確信を持っています。

いつもそうですが、市場の新技術に対する評価は過信と悲観の間で揺れ続けます。

今後のAI相場も同様の動きをすると僕は思います。下のグラフは僕がいまもっているAI市場の拡大と、関連株の値動きのイメージです。

(AI市場の拡大と関連株のイメージ:弊社作成)

上の図でいいますと現在の位置は黒線の下側、すなわち「行き過ぎた悲観による売られすぎ」にあると思います。では、何をもって買われすぎ、売られすぎを判断すればいいのでしょう、僕はこういう時の判断基準としてシンプルにPERがふさわしいと思います。

エヌビディアを例にとれば、最新の四半期決算をふまえた予想PERは28倍ほどまで下がってきています、PER 28倍は一般の会社にしては高い値ですが、今後の成長性を考えるとかなり低い数字だと思います。決算期は異なりますが、アメリカの半導体メモリメーカーのマイクロンテクノロジーの予想PERは15倍ほどですし、アップルも33倍、アマゾンも34倍ほどです。

このような点から考えて、やはり現在は悲観方向に振れ過ぎていると思います。

トランプ関税の行方やロシア・中国問題など不透明要因は多いですが、長い目で見ればAI関連株は買われると僕は思います。

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